2012年4月の中国の輸出額、輸入額伸び率はいずれも2011年を下回った。アナリストは、世界経済の回復はなお厳しい状況にあり、今後中国の外貨買い入れに伴う自国通貨の放出額も依然乏しいものであるとし、5月は多重の要因により、中国が流動性逼迫状況に直面することになると指摘する。第2四半期に、中央銀行による預金準備率引き下げの可能性はなお残っているという。11日付中国証券報が伝えた。
◆輸出成長力不足
中国海関総署(税関総署)の統計によると、2012年1―4月の中国の貿易額は前年同期比6%増の1兆1671億8000万米ドルで、うち輸出が5932億4000万米ドル、貿易黒字は193億米ドルだった。季節調整後の4月の前年同期比成長率はそれぞれ貿易額が6.1%、輸出が7.2%、輸入が4.8%で、市場の予測を大幅に下回った。
今後の輸出成長の回復力は依然乏しいものである。中国交通銀行のチーフエコノミストである連平氏は、今後一定期間、世界経済の回復はこれまで通り厳しい状況のままである。第2四半期以来、アメリカの経済回復は鈍化が見られ、米労働省が公表した4月の新規就職者はたった11万5000人で、市場予測の16万人を下回った。第1四半期の国内総生産(GDP)予測も明らかに2011年末の水準よりも低いものとなっている。ユーロ圏の経済状況は更に悪化し、4月のユーロ圏の製造業購買担当指数(PMI)はたった45.9で、欧米の経済状況が芳しくない事が、輸出市場の需要の衰退をもたらした。4月10日、バルチック海運指数(BDI)も928前後まで下落し、2008年度の金融恐慌時の最低点に近づき、現在の国際貿易が低迷していることを示している。
中国商務部は、今後5年間に対外貿易は世界経済の成長鈍化、貿易保護主義の台頭などの試練に直面することになると見ている。国内企業には、経営コストが全面的な上昇期に突入することや、対外貿易の構造調整もより難しくなることなどの難問が突きつけられる。