日本を代表するグローバル企業といえば、多くの人がまずソニーを思い浮かべるだろう。確かにソニーは、戦後の家電の発展を牽引してきた。
しかしこの数年、ソニーは赤字が続き、2011年の赤字は創業以来最大規模となった。かつてあれほど輝いていたソニーはどこに行ってしまったのだろうか。雑誌「フォーブス」のエコノミストが見解を述べている。
ソニーの創業初期の話から始めたい。創業者の一人、盛田昭夫は技術革新を非常に重視していた。
盛田は、企業が良好な業績を上げるためには革新的な商品で市場を開拓することに尽きると考えていた。そのため当時のソニー幹部たちは85%の時間を商品の研究開発に費やした。人事や財務に対する時間はわずか10%、5%だった。このやり方によってソニーは大きく成長し、1980年代中ごろにはアメリカを脅かす存在にまでになった。