中国社会科学院が5月24日に発表した2012年『不動産青書』は、規制政策の成果を確固たるものとし、引き続き投機的需要を抑制することは、2012年度の中国政府の不動産市場規制における中心任務となるとの見方を示した。2012年には、不動産価格が上昇に転じる可能性が極めて小さく、大きな値下げ余地もない。また、不動産業全体の利益が低下している中、備蓄土地のコスト・融資のコストが比較的高く、新築住宅在庫過多の企業は、赤字と債務圧力に直面し、破産や倒産のリスクが増大していると指摘している。25日付中国証券報が伝えた。
◆不動産市場規制政策実施の難しさが増している
『青書』は、2012年の不動産市場規制政策について、既存の成果を確固たるものとすると同時に、政策の最適化・合理化に向けて一定の調整が行われるが、政策実施の難しさが増していくと見ている。一方で、国内外の遊休資本による不動産投資のニーズが依然大きいため、投機的需要の抑制は2012年不動産市場規制の重要課題となる。他方では、景気減速で成長維持面の圧力が増大していることを受け、マクロ調整政策も引き締めから緩和方向に向かっている。
投機的需要の抑制は依然、2012年不動産市場規制の重要課題となる。経済成長の減速、住民貯蓄と遊休資本の投資ルートが乏しいことにより、資金は価値の維持・増大を求めて、受動的に不動産市場へと流れていく。また、国際資本市場は欧米の経済回復が力不足であることと量的緩和政策の影響により、中国不動産市場で投機的取引による利得を獲得する動きを招きやすくなる。そのため、2012年、国内外資本の不動産市場での投機的需要抑制の圧力は依然大きい。
『青書』はまた、政府と企業、中央と地方の異なる利益追求志向によって、地方政府と企業は政府政策の履行と実施において、より積極的に自身の利益にプラスとなる政策目標を求める一方で、自身の利益にマイナスとなる政策の実施には消極的になり、規制政策実施の難しさの増大を招くと見ている。