国際航空運送協会(IATA)のトニー・タイラー理事長が23日に行われた2012年中国民用航空発展フォーラムで述べたところによると、中国は航空燃料価格が世界で最も高い地域の一つであり、推計によると世界の航空会社が毎年中国の空港での給油に支払う費用は4億ドルを超えている。このコストが世界水準並みになれば、中国の空港運営会社は他国の空港運営会社よりも競争力をもつようになるという。「新京報」が伝えた。
▽調達・販売の差額は海外を数十ドル上回る
IATAによると、一般的にいって、航空燃料の価格は国際原油市場での価格と航空燃料の調達価格と販売価格との差額という2つの部分で構成される。中国の航空燃料の工場出荷価格は、直近1カ月間の国際航空燃料価格の平均値を基準として相応の調整を行っており、国際市場での価格情報が中国航空燃料価格に反映されるまで時間がかかる。
航空燃料の調達・販売の差額について、IATAは次のような例を挙げる。アジアの多くの空港では差額が1トンあたり65ドルを超えないが、中国は同100ドルを超える。国際航空燃料価格の平均値が同950ドルだとすると、シンガポールの空港の燃料価格は同960-970ドルとなるが、北京の空港では同1050ドル以上を支払うことになる。東京、ソウル、マニラ、クアラルンプールをはじめ、アジアのすべての主要空港はこの差額が中国よりも小さい。
中信建投証券の航空分野アナリストの李磊氏によると、中国の航空燃料価格がこれほど高いのは、国内の航空燃料市場が中国石油天然気集団公司と中国石化集団公司という二大メジャーによって独占されていることが主な原因であり、このため国内価格と国際価格がかけ離れたものになり、大手航空会社がどれほど購入したとしても割引は一切ないのだという。