注意しなくてはならないのは、レアアース産業の現在直面する環境がより厳しさを増し、輸出割当額が使い切られていない一方で、密輸がたびたび発生しているということだ。税関統計コンサルティングサービスセンターが発表した最新のデータによると、今年4月のレアアース輸出量は387トンで、前年同月比93%減少し、前月比では38%減少した。また今年1-4月のレアアース鉱石、レアアース金属、レアアース化合物の輸出量は3046トンで、前年同期比43%減少した。
レアアースの割り当てを受けるある企業の責任者によると、昨年に社内チームを率いて米国や日本などを視察した際、海外のレアアース輸入データが中国の輸出データを上回ることを発見して驚くとともに、その差の大きさにも驚いたという。税関がまとめた統計によれば、中国のレアアース密輸量は毎年少なくとも2万トンに上り、実際の輸出量全体の約3分の1を占めるという。
中国希土協会の王彩鳳副会長は、「利益が高額に上るため、これまでは確かに密輸されるケースがあった」とした上で、レアアースの監督管理システムを早急に整える必要があり、とりわけ生産計画から輸出割合計画、市場ニーズをよりよく結びつける必要がある。また今後実施されるレアアース専用の伝票発行といった措置は密輸の一層の抑制につながると述べた。
「人民網日本語版」2012年5月25日