中国人民銀行は、8日から金融機関の人民元建て貸出・預金の基準金利をそれぞれ0.25%引き下げると発表した。中国での利下げは3年半ぶりとなる。また人民銀は、金融機関の貸出・預金金利の変動許容範囲を調整した。
利下げは経済成長率を安定させる政策の一環
中国銀行国際金融研究所の周景トン・シニアエコノミストは、中国が利下げを発表したのは「経済情勢と近ごろ発生した大きな変化」が理由だと見ている。4月の各指標を見ると、中国の経済成長率は予想以上に鈍化している。今回の利下げは、成長率安定のための措置でもたらされた効果を強め、株式市場と実体経済の促進にもつながる。
今年に入って見られる中国の投資の伸び悩み、外需市場の回復、中小企業の融資難などの問題は経済成長を妨げ、下振れ圧力を強めている。
中国銀行業監督管理委員会の5月11日の発表によると、4月の新規貸付額は6818億元で、今年の最低水準となった。アナリストは、実体経済の需要不足が貸付が伸び悩んだ主な原因だと分析。