▽預貸金利鞘の圧縮は銀行の利益を根本から変える
中央財経大学中国銀行業研究センターの郭田勇主任は、「人民銀のこのたびの利下げは一大決心に違いない。これまでの銀行の高い利益に対する各界の議論とは関係がある」と話す。
中国の銀行業が現在得ている利益は、主に預貸金利鞘によるという単純なモデルによるものだった。中国の金利は市場化していないため、銀行はたやすく、安定的に、継続的に巨額の利益を得ることができた。今回の人民銀の措置は銀行の利益獲得能力を根底から揺るがすものとなる。8日の株式市場では、新政策が銀行に与える打撃を直接反映して銀行銘柄は全面安となり、市場全体が低迷した。
交通銀行金融研究センターの鄂永健シニア研究員の予測によると、おおまかに見積もれば、銀行の預貸金利鞘はこのたびの預金・貸出金利の変動幅調整によって0.20%縮小し、金利引き下げと変動幅拡大という2つの調整によって0.25%縮小する。いずれも銀行にとってマイナス作用があるのは明らかだという。