ある銀行関係者は、「銀行の黄金時代はまもなく終わる」とした上で、実際のところ単なる一度の値下げや預金・貸出金利の変動幅拡大が重要なのではなく、これは始まりに過ぎない。これらの措置は今後、銀行業に競争や業務モデル転換に直面することを余儀なくさせるようになると指摘した。
実際、一部の銀行が基準金利を1日だけ維持した後に引き上げを選択せざるを得なくなった様子から、銀行間の競争の幕がまもなく切って落とされそうな勢いがうかがえる。
興業銀行の魯政委チーフエコノミストは、「白兵戦が始まった。貸出業務のコストを子細に検討しなければならなくなった」と話す。預貸金利鞘が目立って圧縮されれば、銀行は資本充足率を維持しようと思っても難しくなり、貸出業務が銀行の資本を最も消耗させる業務になるという。
中徳証券の余閔華・銀行業アナリストによると、このたびの利下げは銀行株がこれまで伝統的に獲得してきた預金・貸出業務の利潤に質的な変化をもたらすものであり、金利市場化改革の深まりにともない、銀行の預貸金利鞘は縮小を続ける見込みで、中期的には銀行銘柄は上昇するエネルギーをもちえないという。
「人民網日本語版」2012年6月11日