欧州債務危機がますます深刻化し、世界経済の復興がなお多くの不確定要素に直面している今、メキシコ・ロスカボスで開幕した主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が改めて世界中の注目を集めている。世界の経済規模の87%を占めるG20がグローバル金融の安定維持をどのように推進するか、成長の維持と安定の促進をめぐりどのような積極的な成果を挙げるかが、今回のサミットの主要テーマになるとみられる。世界の重要な経済エンジンである中国の一挙手一投足が以前にも増して注目を集めている。主要経済体の成長が軒並み鈍化する中で、中国経済が引き続き安定的な成長を維持できていることは、グローバル経済に対する重要な貢献であり、今後はグローバル経済復興の歩みを加速し、世界各国に揺るぎない信頼感というシグナルを送るものになるとみられる。
▽グローバル経済の復興は中国と切り離せない
グローバル経済の復興が鈍化し、「安定的な成長」が頭の痛い問題になっていることについて、全国人民代表大会(全人代)財政経済委員会の賀鏗副主任は次のような見方を示した。主な原因は、世界は今なお新たな経済成長点を見つけだしていないことにある。このことが経済成長に影響を与える長期的な要因となっている。過去100-200年間の経済成長点をみると3つの時期があったことがわかる。工業革命、電器製品の時代、情報の時代、の3時期だ。現在は情報の時代であり、その特徴についてはこれまでにいろいろいわれている。結局のところ、どのような技術をよりどころとして経済成長の動力にするのか。米国と欧州は答を探しているが、まだ見つかっていない。よってグローバル経済の復興には時間がかかるとみられる。また世界金融危機の発生後、世界各国は実体経済を重視しなければならないことを認識し、輸入を減らし、輸出を増やそうとした。自国の製品をこれまで発展途上国から輸入してきた製品に替えることは、短期間で容易にできることではない。よってグローバル経済の復興には時間がかかるとみられる。