▽中国に世界のニーズ不足の埋め合わせ求めるのは非現実的
中国を代表とする新興市場経済体は疲弊状態にあるものの、今、グローバル経済の復興を他に先駆けて牽引しつつある。だが中国だけの力でグローバル経済の成長を支えきることはできない。香港上海銀行(HSBC)中国法人の屈宏斌チーフエコノミストによると、中国が世界2位の経済体とし、グローバル経済に対して行うことのできる最大の貢献は、内需と経済の安定的成長を維持することだ。これは中国自身にとってプラスになるだけでなく、グローバル経済の復興にとっても安定を保つ「バラスト石」になるという。
外交部の崔天凱副部長の指摘によると、中国は国際社会に対し、一貫して非常に責任ある態度を取ってきた。何事であれ、中国には能力があり、引き受けるべき責任もあり、いずれも真剣に取り組んでいく。だが中国が引き受ける責任と中国がグローバル経済基盤整備や政策決定でもつ発言権とが釣り合っていない。権利と義務は平等であるべきだが、中国はこれだけの貢献を行っていながら、国際通貨基金(IMF)のような国際機関で占めるシェアが現在の経済的実力や貢献を完全に反映するものにはなっていないという。