国務院発展研究センター金融研究所の研究員である巴曙松氏は自身の著書で、「規制政策後の不動産の着工が乏しい要因は三つある。まず、不動産の開発周期は比較的長く、通常3年ほど必要であること。規制政策が実施されているが、開発周期と供給チェーンが長いことにより、不動産企業の経済周期と政策の不確定さに対応する柔軟性が抑制された。ディベロッパーはしばしば着工を見合わせ、土地の購入を減らすことでやがて来るかもしれないリスクに備えた。次に、銀行の貸付、前受け金、資本市場のプロシクリカリティがディベロッパーのキャッシュフローの打撃を大きくしたこと。規制政策が始まると、厳格な貸付規制と販売の萎縮が投資回収速度の低下を招き、ディベロッパーの資金源に構造性の変化が生じた。そして三つ目に、土地価格の上昇がディベロッパーの逆サイクル的な投資のリスクを拡大したこと。地方政府財政は既に土地使用権の譲渡による収入に依存している。土地価格の上昇により、ディベロッパーは規制政策が敷かれている状況の中で、合理的な価格で土地を購入することが難しくなり、着工と投資の成長が圧迫を受けている」との見方を示している。
巴氏は「毎回、不動産の規制政策は、不動産価格とディベロッパーの資金循環の規制を主に行ってきた。これは同時に、次の段階において住宅の供給が減少することを意味し、一度、住宅の需給が正常な状態に戻れば、不動産価格は再び新たな上昇軌道に乗り、『規制、供給減少、新たな住宅価格上昇』という悪循環が生じることになる」と見ている。