経済が鈍化を続けている中、いくつかのプラス要因も見られる。
まずは、自動車や居住関連等の消費需要に回復が見られた。中国商務部のデータによると、5月、重点小売企業3000社のうち、居住関連製品の売上は前年同期比4.1%増、交通関連製品の売上は同8.2%増となり、伸び率はそれぞれ4月より0.9ポイント、9.3ポイント拡大した。建築・内装材の売上高は前月比7.2%増となり、増加率が前月比で5ポイント増となった。また中国自動車工業協会(中汽協)の統計データによると、5月の全国自動車販売台数は前年同期比16.0%増となり、単月の伸び率として過去1年間で最高となった。
次に、国が昨年より一連の貿易促進政策を実施した成果が現れ、5月の貿易額の増加が顕著だった。中国商務部のデータによると、同月の中国の貿易額は前年同月比14.1%増の3435億8000万ドルに達し、2011年11月の3341億1000万元という単月過去最高記録を塗り替えた。製造業の輸出状況を反映する6月PMIサブ指数の新規輸出受注指数は前月を下回ったものの、予想内のものであり、今後貿易の安定的成長の傾向が続くと見られる。