中国人民銀行(中央銀行)はこのほど『中国金融安定報告(2012)』の中で、穏健な通貨政策の実施を継続し、合理的な貸付規模を維持し、金融による実体経済支援を強化すると発表した。また、金利の市場化改革を強化すると強調した。3日付中国証券報が伝えた。
同報告書によると、2011年の中国経済は、マクロ調整により示された方向に向かい発展し、構造調整が秩序正しく推進された。中国国内の需要が安定的に増加し、外部の需要も安定した。財政収入が急増し、民生および「三農(農業、農村、農民)」に充てる財政支出が拡大した。物価水準が上半期に高い数値を示したが、下半期は低下傾向をたどり、インフレ圧力が緩和された。不動産市場規制政策が引き続き強化され、不動産価格の上昇傾向が抑制された。銀行貸付増加率が正常な水準に戻り、人民元為替レートが安定的に上昇した。金融市場は改革の中で安定的に発展し、資源配置の合理化および実体経済支援で積極的な役割を果たした。金融分野のインフラ整備が着実に進み、金融環境の改善と金融システムの安定的な運営を促した。
同報告書によると、銀行業のストレステストで、商業銀行17行を始めとする銀行業は、マクロ経済の変動への対応力が高いことが証明された。銀行業は圧力を受けながらも、安定的な経営を維持しているが、一部のリスクに対しては注意する必要がある。
「中国証券報」より 2012年7月3日