中国人が消費を嫌い貯蓄を好む原因は複雑だ。伝統的な影響もあるのだろうが、政府による消費を妨げる政策に対する反応でもある。50歳以上の中国人は、経済の低迷や政治的な動乱の時代を生きたため、収入の60%を貯蓄する傾向がある。一部の若い中国人もまた、質素倹約の伝統を受け継いでいる。上海のある会計士(30)は、2600ドル(約20万8000円)の月給の約半分を貯蓄しているが、「何も買う気がないというわけではなく、消費に消極的な理由は、忙しすぎるためかもしれない」と語った。
中国人が貯蓄を好むのは、他にも現実的な理由がある。住宅を購入する場合、総額の約30%を頭金として支払う必要があるが、これは多くの中国人にとって天文学的な数字である。また多くの中国人は30歳を過ぎた頃から一人目の子供を持つが、この頃から将来の教育費として貯蓄を始めるのだ。