「中国家庭金融調査報告」は、「中国人の住宅所有率が90%に達する」とするデータを発表し、業界内で疑問の声が広まった。同報告書を作成した、中国西南財経大学中国家庭金融調査研究センターはこのほど、「中国家庭金融調査報告・2012」を発表した。同報告書は「中国人家庭の純資産額が、米国人家庭を21%上回る」と称し、再び論議の的となっている。北京晨報が伝えた。
◆人口と不動産価格による影響
中国のGDPは米国の半分にも達していないが、家庭の資産額が米国を上回った。このデータは多くの学者を驚かせており、同データが過大評価であるとする声もあがった。
同報告書の主な担当者の一人、中国西南財経大学の甘犁教授は、同データはでっち上げではないと述べた。連邦準備制度は今年6月11日、2010年の米国の家庭資産状況を公表し、米国人家庭の純資産額を57万1000ドルとした。同年の中国人家庭の純資産額は69万1000ドルに達し、米国を21%上回った。
ハーバード大学のDavid Wise教授は、同データは理にかなっていると述べた。まず中国の人口は米国の4倍に達し、家庭の構成人数が米国を上回っている。また中国の不動産価格が高騰し、中国人家庭の住宅資産総額が米国を上回った。
甘教授はまた、「中国の不動産市場の拡大が、中国人家庭の純資産額を引き上げる主因となった。中国において、不動産が家庭の資産総額に占める比率は高い。2007年から現在に至るまで、不動産価格が急落したことはなく、むしろ高騰した。一方で米国の不動産価格は、2007年から現在まで約30%下落している」と説明した。