中国の有力企業「ハイセンス」が日本市場向けに5タイプの液晶テレビを売り出す。7月21日より正式に販売が開始される。そのうち、目玉となる50インチテレビは価格が10万円以下と予想されているが、これは日本のメーカーの同規格テレビと比較すれば半額近い値段だ。
ソニーやパナソニックなど日本企業のテレビ産業が赤字まみれの中でもがくなか、ハイセンスは「安さ」を武器に日本市場攻略を加速させている。同社は2011年春より日本でハイセンス家電の販売店を開設しており、4タイプの32インチ液晶テレビを販売してきた。今回は50インチテレビ以外に24インチ、39インチなど5タイプの液晶テレビを投入、年間10万台の販売を目指す。
一方、ソニーやシャープ、パナソニックなど日系メーカーは赤字から脱却するため、他国メーカーとの合作・提携(シャープと鴻海など)や、生産規模縮小(ソニーが大阪工場の株を7%売却、パナソニックの減産など)を加速させている。津賀一宏氏が社長に就任したパナソニックでは、尼崎第3工場に続いて茨木工場も閉鎖した。日本でのテレビ製造拠点は1か所しか残されていない。それでも日本のテレビ産業が苦境にあることには変わりがなく、価格優位性のある韓国や中国ブランドには太刀打ちできない状況だ。