中国大陸部の労働者はこれまで、沿海地方に職を探しに行かなければならなかった。現在、沿海地方の企業はモデルチェンジを開始しており、西部地区のさらなる繁栄を促すと見られる。西部の発展はこれまで、国家の公共投資と再分配政策を頼りとしてきたが、現在は民間企業による進出が加速している。長期間に渡り、西部各省の経済成長率が、全国平均水準を上回っている。
データは格差を示すが、その格差を縮小する可能性も示している。西部の10万人当たりの大卒者数は1800人にとどまっているが、その他の地区では2200人に達する。毎年二桁成長を維持しているとはいえ、西部の1人当たり可処分所得は全国平均水準の80%のみで、東部の豊かな地域と比較するとその格差はさらに拡大する。
しかし、このような格差は縮められようとしている。西部の製造業は東部を上回る発展を実現しており、中国の今後の経済成長を力強く支える。四川省と広西チワン族自治区の今年1-4月の工業生産額増加率は16%に達し、中国の専門家に「中国内陸部の経済の奇跡」と称された。これは西部の都市化開始の遅れと、安価な人件費が要因と見られる。
しかし、西部の成功を疑問視する声もある。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、モルガン・スタンレーで中国区チーフアナリストとして活躍したBen Simpfendorfer氏は、「これらは朗報に聞こえるが、一部の投資家の嗅覚はすでに鈍っている」と語った。中国西部の管理者と従業員の能力は、東部の発達した地域に劣る。多くの都市は巨額の負債に苦しんでおり、現地経済は公共支出によって維持されている。外国企業による現地市場への進出は困難だろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月18日