中国は今や米国と日本に次ぐ世界で3番目のぜいたく品市場だ。まもなく日本を抜いて、世界2位のぜいたく品市場になるとの見方を示す業界ウォッチャーも多い。人々の期待を背にして、時代は「メードインチャイナ」(中国製造)から「デザインドバイチャイナ」(中国設計)へと変わりつつある中、中国の老舗ブランドがこのほど上海市で「囲みを突破する」ための行動に出た。ある専門家の指摘によると、中国のハイエンドブランドが長く生き延びようと思うなら、タイミングを見計らって欧州市場のデザイナーと協力する必要があるが、こうした協力は中国の文化的背景に基づくものでなければならないという。「国際金融報」が伝えた。
▽ブランド構築は自国の文化を基礎に
グローバル金融危機の打撃を受けて、中国の輸出企業や対外業務を主に扱う企業の多くが倒産の危機に瀕している。こうした企業は受託加工からブランド構築へのグレードアップをはかろうとしているが、ブランド構築の戦略も経験もないため、ほとんどの独自ブランドが一時のあだ花で終わっている。それでは中国企業のブランド構築の道筋にはどのような問題とチャンスが横たわっているのだろうか。
大陸部にはぜいたく品の消費力があり、実際のところ中国のぜいたく品消費市場は英国をはるかに上回る。ここ数年間、大陸部の人々は欧州に旅行してぜいたく品を大量に購入している。あるデータによると、2010年に中国のぜいたく品消費者が海外で消費した金額はぜいたく品消費額全体の約24.5%を占め、香港地区と澳門(マカオ)地区での消費額は34%に上った一方、大陸部での消費額は41.5%にとどまり、前年の43.5%より低下した。このことから、中国が早急に独自のぜいたく品ブランドを構築しなければ、ぜいたく品の消費者を国内市場にとどめるの難しくなるということがわかる。