グザッツ氏の分析によると、欧州のぜいたく品ブランドの構築は王室文化と直接関係があり、王室メンバーがブランドの宣伝と消費に一役買っている。ブランドはぜいたくなイメージを作り出すため、製品の品質にあれこれ手を加えるだけでなく、名士との交流、生産量の制限、技術の喧伝などによって営業販売を行う必要がある。広告投入、ファッションショー、大型展示会などには惜しみなく金を使うのがよく、こうしたことすべてが消費者にそのブランドの物は持つにふさわしいと思わせる。ある企業家によると、これはブランドの付加価値であり、ブランドが消費者に与える感情的価値であり、ブランドのプレミアム力というものはここに由来する。中国では感情に従って買い物しようとする消費者が大勢いるという。
デザイン力を欠けばブランドの価値に直接影響することになる。欧米ではまだ名前が知られていないデザイナーの製品をバイヤーが大量に購入し、市場の「テスト」をくぐり抜けたデザイナーは急速に名前を知られるようになり、有名ブランド専属のデザイナーへと成長するというケースがままあり、世界的ブランドはこうしたケースの中で生み出されてきた。グザッツ氏は、「中国のブランド企業もこうした購入の意識をもつべきで、伝統的なデザインをリニューアルすることを学ぶべきだ」とした上で、中国は厚みのある文化的蓄積をもつ国家であり、尽きることのない文化的な源泉があり、中国ブランドはここから養分を取ることができる。貴族を一人育成するには三代かかるという。中国ブランドと国際的ブランドとの距離は、短期間で縮まるものではない。ブランド構築には長い時間の積み重ねが必要だ、と述べた。
「人民網日本語版」2012年7月21日