▽デザイン力がブランド価値に影響
中国は製造業大国ではあるが、ブランド強国ではない。アパレル産業をみると、中国企業の多くは加工型企業であり、海外のブランドの代理生産を行っている。プラダ、アルマーニ、バーバリーを含む多くのぜいたく品ブランドが、中国に整った代理生産の産業チェーンを擁している。世界ぜいたく品協会が発表したデータによると、ぜいたく品の価格構成のうち、原材料は5%、コストは6%を占めるに過ぎず、付加価値が55%にも上る。中国で衣料品を代理生産する企業は、ぜいたく品を商っていながら、汗水を垂らして日銭を稼いでいる。グローバル金融危機の打撃を受けて、企業は代理生産によって生き残るという方法が難しくなっており、労働力コストの上昇にもついていけなくなっている。
市場では、ぜいたく品が安いコストで暴利をむさぼっているという事実について、かねてより論争が起きている。ある専門家の見方によると、コスト問題はこれまでぜいたく品の価格を決定する重要な要素ではなかった。消費者が買っているのは製品そのものではない。その製品が象徴する意味や誇らしげな感覚がより重視されるのだ。グザッツ氏は、激しい外部の競争を前にして次のように述べる。中国ブランドの構築は次の点から出発しなければならない。まず、一時のあだ花になることを避け、管理からスタートして息の長いブランドを構築する必要がある。次に、ブランドの価格決定のレベルはブランドの価値と釣り合う必要があり、コスト価格に縛られることはない。さらに製品の希少性を保障し、ニセ物・粗悪品を厳しく取り締まることも必要だ。最後に、欧州連合(EU)のデザイナーチームと連携して新しいブランドを開発し、有名ブランドを購入することばかりにとどまっていてはならない。