フランスのユーロメッドマルセイユビジネススクールのMBA・EMBAプロジェクト主任を務める、ブランド管理の専門家ミシェル・グザッツ氏は、「中国がブランド戦略を発展させたいと考えるなら、まず品質重視の路線を取らなくてはならない。次に中国の文化的な蓄積を土台としつつ、ブランド価値創出では欧州のデザイナーの力を借りる必要がある。その次に持続可能な発展に向けて、教育の分野でブランド構築に携わる人材の育成を増やす必要がある」という。また、「ぜいたく品ブランドは自国の文化に立脚していなければならない」と指摘し、次のように述べた。欧州の有名ブランドの発展の歴史を眺めると、デザインには各地の文化的特色が反映されている。その一方、海外での売れ行きが好調な中国ブランドが長く生き残っている理由を考えると、自国の文化的特色をよくくみ取っていることのほかに、外国人デザイナーを採用していることと直接関係がある。海外進出に成功した中国ブランドは、品質管理とブランドデザインとをはっきりと区別し、「経営者は経営をやり、デザイナーはデザインをする」ということを真に実現している。
ふさわしい人材を育成するため、中国・フランスの教育関係者は現在、ハイエンドブランドを管理する人材の育成に着手している。同ビジネススクールと上海交通大学安泰経済・管理学院はこのほど、両校が手を結んでブランド、デザイン、イノベーション分野のMBA課程をうち出す予定であり、第一期クラスは今年秋に開講することを明らかにした。