▽国内消費が成長点に
IMFの指摘によると、中国の外部のアンバランスの軽減は、内部のアンバランスの拡大をともなっており、投資のさらなる拡大という形で現れている。IMF理事の多くは、中国に大量の投資ニーズがあることを認めると同時に、外部ニーズの落ち込みや生産能力の過剰を踏まえて、こうした投資水準の持続可能性に懸念を抱く。理事たちは改革を実施して、消費がもたらす成長により多く依拠して経済の新たなバランスを実現することが早急に必要だと強調する。改革の日程には金融部門の一層の開放、サービス部門の拡大、社会の安全網の強化、生産要素価格の引き上げ、相場の柔軟性の向上を含める必要があり、これらを同時に実施することができれば、一連の改革プランは国民の生活水準を向上させ、期待される経済の新たなバランスを実現し、改革のもたらすメリットをより広く分け合うことを可能にするものになるという。
ローラー副主任は中国経済が短期的に軟着陸を達成することを確信するだけでなく、中期的な発展の見通しにも期待を寄せ、「毎年の成長率を7%から8%の間で維持することは、中国にとっては持続可能なことであり、十分に可能なことであると確信する」と述べた。
だがローラー副主任は、中国が直面する大きな課題を忘れてはならないと指摘し、次のように述べた。過去数年間、中国の経済成長は高い水準で上昇を続ける投資率によるところが大きかった。今後数年間は投資の安定から国内消費への移行が必要であり、国内消費を経済成長の主な源泉としていくことが必要だ。現在、中国の貯蓄率は国際水準よりも相当高い。発展途上国や先進国の多くでは収入の20%から30%を貯蓄に回すのが一般的だが、中国ではこの割合が50%を超える。このことは中国には消費規模のさらなる拡大の余地があることを示している。またローラー副主任は経済発展のモデル転換について言及した際、実際には中国はすでに具体的な計画をうち出しており、目下の問題は計画を急速に力強く実施する必要があるということだ、と述べた。
「人民網日本語版」2012年7月26日