「中国不動産市場は安定しつつあり、ここ数ヶ月の運営状況と信用状況には改善が見られる。」スタンダード&プアーズ(S&P)は最新の報告書『中国不動産ディベロッパー―投資者が最も関心を寄せる十大問題』において、中国不動産市場について上記の見方を示した。
S&Pの報告書によると、2011年から不動産購入者の間では様子見ムードが広がっていたが、今再び市場に戻りつつある。貸付の規制が緩和され、金利が引き下げられたことにより、不動産の販売量が上昇し始めている。しかし、在庫水準が高いことにより、不動産価格には依然、ある程度の圧力がかかる。ディベロッパーは引き続き、価格を引き下げることで、在庫の消化を図るものの、引き下げの幅は縮小することが見込まれる。S&Pの予測によると、2012年下半期の不動産価格の下げ幅は5%に届かない。
2012年年始、流動性不足と以後12カ月の間に満期を迎える債務が過去最高水準であることなどの状況により、財政力が弱いディベロッパーは債務不履行のリスクに直面していた。しかし、S&Pの信用アナリストである符蓓氏は「網羅している地域が広範囲に及ぶ大手ディベロッパーが、引き続き市場でのシェアを拡大するにつれ、中国の不動産ディベロッパーの整理再編が進むだろう」との見方を示している。
また、符蓓氏は「不動産の売上は今、安定軌道に乗りつつあるが、価格が下落していることはつまり、今後1,2年の間、全てのディベロッパーの収益率が下がることを意味する」と指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年8月14日