税金とマーケティングが値段を引き上げる
中国はこれまでの欧米諸国にとって変わり、ブランド品購入の主力になった。国際的な有名ブランドも次々と中国市場を重要視し始めている。海外に比べ、中国ではブランド品がこんなに高いのはなぜだろうか。
ブランド品専門家で、財富品質研究院院長の周婷博士は、取材に答え主に3つの原因が考えられると語った。まず、関税の問題。ブランド品の関税が中国国内の価格差となっている。品物によっては本体よりも税金のほうが高い。貴金属素材が使われた腕時計は、少なくとも1万元、高ければ数十万元するが、これに30%の税金が科せられると、価格差はかなりのものになってしまう。次に販売流通経費だ。このコストは営業コストに含まれ、また流通費用もある。売り場の賃貸料やその他の管理費用もある。そしてマーケティング費用だ。国際的な有名ブランドグループの年次報告書を研究すると、基本的にその費用に占めるマーケティング費用は非常に大きい。製品コストよりも高いこともある。
「各種税金にさまざまな経費が追加されて最終的な販売価格を押し上げているのが、根本的な原因である。」依氏はこう語る。中国がブランド品にかけているかなり高額な輸入税政策により税率は6.4%-25%だ。だが、関税以外にもブランド品には国内販売に増値税、消费税、営業税などがかかり、合計するとかなりの負担となる。こうして最終販売価格は輸入時のCIFの2/3高くなる。エスティローダーのアイクリームを例に取ると、CIFは175元、輸入税率10%、消費税率30%、輸入にかかった費用を足すと輸入完了時には274.5元になり、CIFより100元近く高くなる。国内流通経費とさらに5%の営業税、17%の増値税、都市保護権節税などに広告宣伝費が加算され、直営店での最終販売価格は540元前後となる。
税金の徴収範囲を調整し、関税を下げる