在庫圧力が大きいことは他のデータからも裏付けることができる。河北省秦皇島港の石炭在庫量は660万トン近くまで縮小し、概ね例年の正常な水準まで戻ったものの、川上の生産地の石炭の在庫水準は依然高いままである。また、データによると、山西省の石炭在庫は高止まりしており、8月21日には2033万トンの過去最高水準を記録した。これについては、中継地の石炭価格が低く、輸送コストが高止まりしていることで、利益が大幅に縮小してしまうため、石炭生産企業の在庫の消化が進まないことが要因であると言える。鉄鋼工業もこのところ、操業を一時停止して生産量を抑制する傾向にあるが、その効果には限りがある。中国鉄鋼工業協会のデータによると、8月上旬の重点鉄鋼企業の1日あたりの粗鋼生産量は196万9900トンで、前月比1.05%増となり、在庫の消化ペースは市場の予想より遥かに遅い。
在庫を消化する時間が長引くことで、経済の底入れも先延ばしになる。中国経済の底探り局面は予想していたよりも複雑なものとなっている。
「中国証券報」より 2012年8月24日