2012年に入ってから、人民元の実質実効為替レートは上昇し続けており、回復が難航している世界経済の中、中国の輸出にとっては弱り目にたたり目である。アナリストは「実質実効為替レートの安定には、一時的な人民元の小幅の切り下げが必要であり、輸出圧力の緩和にも繋がる」との見方を示している。23日付中国証券報が伝えた。
国際決済銀行(BIS)のデータによると、ここ12カ月間、人民元の実質実効為替レート指数の上げ幅は8%を上回っている。実質実効為替レートは為替相場の水準を判断する上での科学的な根拠になるため、2通貨間中心レートの調整に比べ実効為替レートの調整は、より効果的に輸出入、経常収支及び国際収支を調節することができ、輸出との関連性も強い。
2012年7月の中国の輸出は前年同期比1%増で、市場の予測よりも低く、更には通年の伸び率10%の予測目標を大幅に下回った。現時点で、通年で10%の成長目標を達成するためには、今後数カ月の輸出伸び率が大幅に上昇に転じる必要があり、1カ月当たりの伸び率は10%以上でなければならない。しかし、2012年の世界経済の低迷は依然厳しく、今後数カ月の輸出伸び率は尚も前年の同じ時期を下回る可能性がある。世界経済の回復の見通しが立たない中、短期間内の為替相場と労働コストは依然上昇傾向にあり、最低賃金の基準も上がり続けている。その上、中国と他国の貿易摩擦も増える一方で、2012年の輸出動向は楽観できない。