中国の人材サービス会社「智聯招聘」が7日発表した調査報告「留学経験者の求職力」によると、留学経験者を優先的に雇用することはないと回答した企業が7割を超えた。留学経験者が就職で有利な時代は終わったのだろうか。人民日報海外版が伝えた。
■経験と認識の不足が主因
キャリアコンサルタントの陳曦氏は「今回の調査結果は全体的傾向を捉えているが、全ての留学経験者が就職で問題に直面するということではない。例えば国内や国外で数年の勤務経験があるハイクラス人材は就職に全く問題はない。調査で指摘されているのは、主に勤務経験のない留学経験者だ。時代が変わるにつれて、留学経験者は増加し、低年齢化した。大部分は学部卒業生や短期留学経験者で、卒業後すぐに帰国し、国内の現状への理解も経験も乏しいため、就職活動時に企業から評価されない」と指摘する。
中露アジア太平洋グローバル問題研究センターの李鼎新主任は「留学経験者が冷遇されている」というより「国民待遇を受けている」と言った方がいいと指摘する。「留学経験者は年々増えており、『留学経験有り』の肩書きも以前ほどまぶしいものではなくなっている。人事部も採用の際、海外の大学の証書だけでなく、もっと広い物差しで判断するようになっている」。
留学経験者の認識のずれも就職難の原因だ。国内の職場の状況を理解していないため、就職活動時の自己アピールや認識と企業のニーズがマッチせず、募集職種に必要な能力も備えていないからだ。