投資の伸びも苦しい局面に直面している。多くの地方で1兆元規模の投資計画が次々と打ち出されているが、投資計画が確実に実行されるには資金問題を解決することが不可欠である。銀行はより慎重になり、国有企業も負債額を増やしたくないため、銀行の融資難が浮き彫りになってきている。そのような状況の中、地方の投資ブームの最終的な効果を過大評価すべきではない。
次に業種別で見ると、不動産市場の規制と自動車販売台数の減少などにより、関連する業種には、その余波が押し寄せ、生産能力過剰の圧力が高まっている。鉄鋼・フェラスメタル(鉄・マンガン・クロム・鉄鋼)・建築材料などの川上産業を例に取ると、製品価格の低下、企業利益の縮小、或いは損失が出る事態が全体的に広まっている。工業製品の価格動向をみると、7月の生産者物価指数(PPI)は前年同期比2.9%低下し、市場は第3四半期のPPI伸び率は安定すると予測しているものの、第4四半期に前期比で回復に転じるかどうかは依然定かではない。生産能力を削減することは短期間内では難しいことを考慮し、関連業種は製品価格を引き上げることで業績の改善を狙うが、見通しは立たない状況だ。
また、中間決算報告の財務データを見ると、上場企業の売掛金が大幅に増加していること、多くの業種で売掛金回転率が著しく低下していることから、不動産・自動車関連業種が困難な局面にあることがわかる。今後の圧力は依然大きい。