そして、在庫消化の周期を見ると、この度の調整の道のりはまだ長い。売上高に対する在庫の比率は2007年から上昇し続けており、2011年にピークに達している。2011年10月から、新たな在庫消化の周期が既に始まっている。通常、企業の自主的な在庫消化の周期は6カ月であるが、2012年の状況は厳しさを極める。鉄鋼・太陽光発電を例に取ると、川下企業の需要が低迷しているにもかかわらず、以前の生産能力拡大の影響で固定費用を償却しなくてはいけないため、一定規模の生産を維持する必要があり、それが在庫規模の高止まりを招いている。
最後に上場企業が発表した第3四半期の業績予想を見ると、増益を見込んでいる企業は全体のわずか1割ほどだった。中国国際金融有限公司(CICC)の研究報告書によると、第3四半期に増益を見込んでいる企業の割合は、2005年以来の低水準である。以前、割合が最も低かったのは2009年で、第3四半期の業績予想で増益を見込んだ上場企業の割合は20%以上で、それ以外の年はいずれも30%前後だった。上場企業の収益が楽観できない状態はなお続いている。
「中国証券報」より 2012年8月31日