元々は15%の案が注目されていたのだが、公聴会や民意調査では、絶対多数が完全放棄を支持した。それにより、原発放棄から生じる経済的コストに注目が集まった。
原発事故の後、日本の燃料輸入量が激増し、貿易赤字が過去最高となった。現状のところ計画停電は免れてはいるが、多くの企業は大きな打撃を受けている。
経団連は、原発放棄は震災並みの被害をもたらすと警告する。数十万人の人が失業し、代替エネルギーも様々な障害が待ち受けている。日本の温室効果ガスの排気量は不断に増加する一方、風力発電や太陽光発電などの再生エネルギーの規模は小さいままにとどまり、しかもコストが高く、信頼性も高くない。経済的に適正な価格でかつ安定したエネルギーを供給できなければ、日本経済の成長はないというのだ。
原発を放棄すれば、短期的に見て日本の企業は経済的リスクがますます高まり、コストの高騰を招くばかりか、中小企業などはそれによって破たんするだろう。業界アナリストは、近いうちに電力会社に「ゼロ案」を認めさせる可能性は少ないと認識している。