8月の中国の貿易総額は前年同期比0.2%増だった。うち、輸出が同2.7%増、輸入が同2.6%減。輸出は例年同時期の高水準の伸びから一転、2カ月連続で一桁の成長となり、輸出の安定的成長に向けた政策の強化が早急に必要であることを示している。アナリストは「人民元為替相場の安定、輸出取引信用保険の与信枠(保証枠)の拡大、輸出税還付の強化などの政策が輸出の安定的成長を実現するための重要な措置である」との見方を示した。11日付中国証券報が伝えた。
まず、ここ12カ月間、人民元の実質実効為替レートの上げ幅は8%に達し、輸出に少なからず影響を及ぼしている。今、中国の対外貿易の通年で10%の成長目標を達成するためには、9月から12月の輸出成長率が10%以上に達する必要がある。世界経済の回復の見通しは芳しくなく、中国国内の労働力コストが依然上昇傾向にあるなどの要因を考慮すると、今後数カ月の輸出の伸びは尚も低水準となる可能性があり、2012年の輸出の状況は楽観視できない。輸出の安定的成長の目標を達成するためには、人民元の小幅切り下げが必要であり、実質実効為替レートの安定或いは小幅の上昇を保つことで、輸出圧力の緩和に繋がる。
次に、輸出取引信用保険の与信枠(保証枠)の拡大は、輸出の安定的成長に向けた政策の重点である。国内外の経験から、輸出成長が鈍化する中、輸出取引信用保険の与信枠を拡大することは、輸出の安定的成長にある程度の効果がある。関連部門は2009年に、輸出取引信用保険政策の更なる整備を進め、輸出取引信用保険の与信枠を短期間、840億米ドルまで拡大し、カバー率を15%前後まで引き上げることを提言している。この政策の後押しの下、当時の中国の輸出成長率は安定し、更には大幅に上昇に転じている。