先般、ヨーロッパとアメリカがそれぞれ、新たな量的緩和政策を打ち出したが、政策の効果は過去2回よりは遥かに小さいと見られる。また、この度の緩和策は再び、世界の資本の流れをかき乱すことになり、米ドルの変動に伴い、中国国内の金融政策の調整には双方向の圧力がかかる可能性がある。現在の中国国内の政策は世界の通貨の「放出」に追随するべきではなく、国内の要素を充分に考慮し、「経済の安定的成長の維持」の目標に従い、既に定められている方向に向かって進むべきである。21日付中国証券報が伝えた。
米国の量的緩和の第3弾(QE3)は過去の緩和策の延長であり、世界金融市場の流動性拡大に及ぼす影響は、過去2回の量的緩和政策よりも小さいと見られる。
第一に、中央銀行の市場への「放出」は、中央銀行の貸借対照表(バランスシート)の拡大に反映される。2008年9月、米連邦準備理事会(FRB)の資産は9000億米ドルだった。4年間で2回の量的緩和政策(QE1、QE2合わせて2兆35000億米ドル)によって、FRBのバランスシートは拡大し、現時点における規模は2兆8200億米ドルとなっている。しかし、2011年8月からは、FRBのバランスシートは拡大しておらず、静かに縮小し始めている。この間、FRBのレバレッジは55倍から50.7倍まで低下している。