「中露両国間で、一部の原油貿易において、人民元建て決済が利用される可能性がまったくないとは限らない」と中国価値指数の崔新生首席アナリストは記者の取材で語った。崔氏は「まず政治的な面から見れば、中国とロシアは絶えず良好な関係を保っている。また、隣国であるため、両国間には頻繁な貿易の往来があり、原油貿易は早くから両国の経済・貿易関係におけるもっとも重要な部分となっている。人民元の地域的な影響力から見ると、人民元はロシアの市場である程度の影響力を持っている。2012年初頭からは、人民元対ルーブルの取引もすでに展開されている」と指摘する。
崔氏は「仮に外国メディアの報道が事実であるとしても、中露両国間の二国間貿易に限ってのことで、世界規模のエネルギー取引に影響が及ぶことではない」と述べ。「とりわけ、世界経済を支配している『米ドルでの決済方式』を、米国が放棄したり緩めたりするわけがない」と強調した。
崔氏によると、人民元で原油を決済算するための、もう一つ重要な条件は、米ドルの世界的地位に匹敵する、或いはそれに近い影響力を持つ世界通貨になる必要がある。しかし、現在の状況から見て、人民元の取引通貨としての機能は相対的に不足している。その上、米国自ら、米ドルの覇権を放棄するわけがない。特に国際原油価格との繋がりによって、米国は膨大な利益を得ることができる。以上の理由から、米国は米ドルの世界における覇権を放棄してライバルを歓迎し、自国の石油から得られる利益に損失を及ぼすようなことはするのは、ほぼ考えられないことである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年9月25日