米国株式市場は200年に及ぶ発展期を経て、今でも上場企業数は3千社ほどだ。中国は英国に追いつき、米国を追い抜き、20年で上場企業数は米国に近づき、世界6位の証券市場に躍進したが、これは大躍進式の実体のない繁栄であり、中国市場はその中で低迷し、「貧しければ貧しいほど生み、生めば生むほど貧しくなる」という無限ループの状態に陥った。また一方にだけ有利なメカニズムが上場企業に恩恵を与え、数え切れないほどの冨を蓄えたスーパー富豪たちが輩出したほか、既成の利益分配は次のような状況がある。すでに以前リスクゼロで新たな投資を行って2兆元を稼ぎ、証券会社に手数料2兆元、印紙税2兆元を支払ったのと、流通株の時価総額15兆元のうち、半数は損失が恐くて株式を売りに出せない中小規模の投資家が占めている。このほか数兆元の非流通株が虎視眈々、すぐに現金に替えようとしている。
市場の信頼感の崩壊は制度設計の上で良心を失っていることにも現れている。株式市場で最もリターンが得られる銀行銘柄と二大石油銘柄は、年間の利潤が1兆元を超え、流通株の時価総額のほぼ半分を占めている。だがその利益は主に海外の戦略的投資家を潤しており、国内の中小規模の投資家に対しては極めて「吝嗇」だ。国の管理層は何度もバリュー投資を呼びかけているが、投資家は投資をやめることを選ぶ。こうして中国で最も利益を上げているブルーチップ銘柄の価格が今や野菜並みとなり、中国経済の大動脈である大企業は捨てられてしまっても惜しくない破れ靴のようになってしまっている。