中秋節・国慶節の到来に伴い、市場の資金需要の急増が予想される。市場の資金難を緩和するため、 中国人民銀行(中央銀行)は8月21日の2200億元(約2兆7500億円)の逆現先に続き、今回さらに過去最大規模となる2900億元(約3兆6250億円)の逆現先を実施した。京華時報が伝えた。
世界各国は現在、量的緩和政策を実施し、市場に大量の通貨を流れ込ませている。しかし中央銀行は逆現先という安定的で慎重な金融政策ツールを用い、QE3の流れに追随しなかった。
中央銀行金融政策委員会の2012年第3四半期会合では、「グローバル経済は依然として低迷している。欧米のこのほどの新たな支援・刺激策による影響を注視する必要がある」と指摘された。これは世界的な量的緩和政策の国際市場に与える影響をひとまず見守ることを意味している。一方で、現在の中国経済が直面している問題は、欧米各国と異なる可能性もある。
米国は経済回復が遅れているが、数年前の過剰消費による不動産バブル崩壊を受け、国民の需要が低迷していることがその主因だ。
中国は、数年前の信用貸付の過度な増加による後遺症(不動産バブルの膨張、銀行の不良債権比率の上昇、地方政府の融資プラットフォームのリスク等)を治療する必要がある。ゆえに中央銀行の金融政策は、景気を刺激して高度成長の軌道に乗せるのではなく、これらの後遺症を治療し経済を安定成長に変化させるものでなければならない。