◆超高層ビルブームの助長要因多く
「超高層ビルの建設ブームは中国の不動産が過熱していることの表れである。一部の都市に関して言えば、超高層ビルを建設する必要がないことははっきりしている」と中国社会科学院金融研究所不動産金融研究センターの汪利娜主任は話す。汪主任は「一部、地方政府の目的に迎合するために、積極的に超高層ビルの開発を進めるディベロッパーもいる。地方政府は往々にして、これらのプロジェクトに対する優遇政策を実施している。これが超高層ビルの建設ブームを引き起こす根本的な原因となっている可能性がある。ディベロッパーの資金圧力を軽減できる政策面での優遇こそ、超高層ビルの開発を助長している」との見方を示した。
しかし、超高層ビルの建設を支持する声も多い。2011年に完成した高さ441.8メートルの超高層ビル「京基100」を建設した、中国不動産開発業大手の京基集団(Kingkey Group)を羨む不動産関係者は少なくない。知名度が高いとは言えない不動産開発業者は、超高層ビルプロジェクト1つで、国内だけでなく海外にも名を馳せている。住宅をいくら建設しても、その影響力には及ばない。「超高層ビルは経済を促進する効果がある。人口が多く、土地面積が狭い北京市・上海市・広州市・深セン市のような都市では、中国、更には全世界の優秀な企業を受け入れるためには、中心市街地に超高層ビルを建設する方法しかないのである」と話す専門家もいる。
「中国証券報」より 2012年10月18日