キャッシュフローが改善したことによって、今後数四半期に渡って、ディベロッパーは土地を大量に購入し、新たな不動産建設計画が次々と展開されると陶氏は見ている。しかし、陶氏は投資家に対し、「不動産価格が下がらないのは、中国の不動産市場にバブル化の動きがないことを意味しているわけではなく、一線都市の不動産価格が過度に高騰していること、三線都市の不動産の在庫が過剰であることなどの問題は依然存在する」と忠告している。
短期的に見た場合、中国の不動産市場のバブル崩壊はまだ起きない。陶氏は「中国の不動産市場のバブルが弾けるのは、下記の三つの条件が揃った時だ」と指摘している。
一、国内の流動性が正常化したとき。今後数年で流動性は徐々に正常に戻ると見られる。
二、中国の貿易黒字が大幅に減少し、赤字に転換したとき。既に兆候は表れ始めているものの、完全に赤字に転換するまでにはまだ長い期間が必要である。
三、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策を停止したとき。FRBの実施している量的緩和と中国の流動性には直接的かつ密接な関係がある。陶氏は「この3つの条件が同時に揃うのは、2015年から2016年頃になると見られる。その時、中国の不動産市場は大規模な調整期に突入するだろう」と予測している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月23日