努力すれば昇進の機会も
「清潔な環境、まずまずの社員食堂、給料も悪くなく、細かい点にこだわります」同社は劉さんが予想していた通りの日本企業だったという。「例えば3人で余裕を持ってこなせる持ち場でも、会社側は2人でやるよう求めます。ただし会社側は、ライン工の業務に関する細かい点に関する意見と提案を尊重し、これが採用されれば奨励として現金や商品が贈られます」これはホンダが1953年より実施している、改善提案制度だ。
劉さんはライン工の「アイデア王」だ。劉さんは、「1ヶ月でいくつも提案を行ったことがあります。会社は四半期ごとに統計を取り、奨励を実施します。私は多い時で、1四半期で500−600元の奨励金を獲得し、それから炊飯ジャーをもらいました」と誇らしげに語った。劉さんは日本人の行き届いた管理を尊重しているようだ。
同社では毎日例会を開いている。劉さんは、「自動車製造は品質を最重視します。会議により、従業員は当日の業務内容を振り返ることができます。今時の若者は遊び好きで、徹夜でネットに没頭することもあります。これは翌日の精神状態に影響します。班長はそのような従業員に対して、休息に気をつけるように促します。私はこのやり方は素晴らしいと思います。これで従業員が嫌な思いをすることもありません。私はこのような管理方法を良いと思い、すぐに慣れることができました」と話した。
劉さんは社員寮(6階建てが4軒)に2年間住み、3人で10数平方メートルの部屋を利用した。各部屋にはパソコンのあるテーブルとベランダがあり、各フロアには共同のシャワールームと、テレビ付きの大部屋がある。水道代と電気料金を分担するだけで、他に出費はないという。
新婚生活の「質」が低下