また、白書は「石油の海上輸送におけるリスクが高まっており、クロスボーダーの石油・天然ガスパイプラインの安全性も無視できない。また、国際エネルギー市場の大幅な価格変動により、国内の安定したエネルギー供給を保障することは益々困難になっている。その上、中国のエネルギー備蓄の規模は小さく、緊急時の対応力が弱い」と指摘している。
中国を代表するエネルギー情報サービス、中国能源網の最高情報責任者(CIO)である韓暁平氏は「現在、エネルギーセクタ全体において、石油が国内のエネルギー供給に占める割合は18%で、石炭が70%、天然ガスは5%未満であり、残りは再生可能エネルギーである。中国のエネルギー構造には問題があることがわかる。石炭を中心とするエネルギー消費構造によって、エネルギー利用効率が非常に低くなっており、更には石炭燃焼に起因する大気汚染などの問題も発生している」と話す。
データによると、2011年、中国の一次エネルギーの総生産量は31億8000万トン(標準炭換算)に達し、世界トップだった。
白書は「今後一定期間、中国の工業化、都市化は進み、尚も高度成長を続けるため、エネルギーの需要は拡大し続け、エネルギーの安定した供給を保障することはより一層の困難を極める」と指摘する。