欧州の贅沢品ブランド各社の価格戦略は、極めて明確だ。それは「ブランドの高級イメージを保つこと」に尽きる。ブランドイメージが下がりそうになると、すぐに価格を引き上げる。
▽中国大陸部の消費者、多くが「様子見」
欧州市場ではすでに値上げが行われているが、中国市場への通知はまだ出されていない。「一部のブランドは、欧州市場の商品とアジア・太平洋市場の商品の価格差を縮めることで、アジア・太平洋市場の多くの消費者の消費行動を促すという目論みがあるのではないか」とアナリストは指摘した。
実際、贅沢品の消費は、中国大陸部市場で勢い良く伸びている。米国の贅沢品ブランド・コーチが24日、香港証券取引所で第1四半期財政年度決算報告を発表した。これによると、同社の中国業務が40%増と大幅に伸びたことから、グループ全体の9月末時点の四半期売り上げは11%、純利益は3%、それぞれ上昇した。イタリアの高級ブランド・プラダの中間期決算報告によると、アジア・太平洋地域の業績は大幅に上昇、純販売額は44.7%増加した。
本国フランスでのルイ・ヴィトンの値上げは、中国大陸部消費者の消費にある程度の影響を及ぼすと予想されている。消費者の多くには、「様子見」のムードが広がっている。周さん(女性)は「フランスでのルイ・ヴィトンの値上げは、中国人の海外ショッピング熱に影響を与えるだろう」と話した。対外経済貿易大学祥祺贅沢品研究センターの曾明月氏は「海外で商品を購入する中国人消費者の割合は中国の消費者全体からするとごくわずかであるため、贅沢品ブランド企業は中国人消費者が自国で商品を買うことを望んでいる」と指摘した。