科学技術はかつての雇用先を破壊すると同時に、新たな雇用機会を創出する。アップルは雇用機会の創出の面で、「満点」を獲得している。アップルは11月、アプリソフト事業のみでも米国で29万人の雇用機会を創出したと発表した。このうちの多くの人は他に職を持っており、余暇を利用しプログラミングを行っているという。アップルは過去4年間で、プログラマーに30億ドルの著作権使用料を支払った。
「製造業の回帰」は偽の命題だ。ハーバード大学のRuttan Vernon教授が唱えた理論によると、原材料や人件費などの生産コストが上昇し、労働者が減少することで、企業は限界便益が減少し利益を上げられなくなる。企業の投資意欲が低下し、製品の生産を停止し、最終的に資本の外部流出が生じる。産業とはこのように、高い段に位置する国と地域から、低い段に位置する国と地域に移転する。さまざまな実例からも、この過程を逆転することは不可能だと証明されている。政府からいくら助成金を支給されようとも、せいぜい産業移転のペースを緩めることしかできず、この過程を変化させることはできない。オバマ政権は減税により製造業をひきつけているが、その効果については今後を見守る必要がある。