高い段に位置する地域は産業の外部流出により衰退・消滅することはなく、科技イノベーションやブランド樹立により、バリューチェーンの利益率が最も高い部分を留めることができる。某証券会社の研究報告書によると、1台のiPhoneのうち、アップルが58.5%の利益を占め、韓国・日本・その他の国が約10%の利益を占めるが、OEM工場の人件費は1.8%のみだ。米国製造業の空洞化により、「メイド・イン・アメリカ」が競争力を失うわけではなく、グローバル資源の統合、サプライヤーの搾取を続けることで、競争力をさらに高めることができる。この角度から論じれば、ローエンドの雇用先が減少することを除けば、製造業の海外移転は悪いことではない。
アップルの成功はグローバル化の成功である。アップルのiPhoneやiPadは、「米国デザイン、グローバル製造、中国組立」(Designed in America、Made in Global,Packaged in China)の産物である。100社以上のサプライヤーが世界各地に点在し、グローバル分業によりコストを削減しており、また世界中のプログラマーにアプリ開発の機会を与え、市場のグローバル化を実現している。国内政策が企業の戦略を左右した場合、最終的には競争力が損なわれることになる。