林国本
このところ、北京では新たに建設された地下鉄が次々に試運転あるいは一部区間の営業に入っており、市民の間でひところ話題となっていた交通渋滞も、発生規模、発生頻度ともにダランしているようだ。今年の12月中旬現在、北京の軌道交通のキロ数は441.8キロメートルとなり、上海を超えて全国トップとなったことがメディアで伝えられている。通勤者の44%は公共交通手段を使うようになっているらしい。これは交通渋滞の緩和につながっているように思われる。やがては50%を目指すらしい。
私が仕事で東京に長期滞在していた頃には、国内から来た同僚たちが東京は公共交通手段が発達していて便利だ、というのをよく耳にしていたが、中国の特色ある世界的大都市という目標を目指す北京もだんだんとそういう方向に向かっているような気がする。日本では一般の通勤者はほとんど公共交通機関を利用しており、土、日などに家族旅行などにマイカーを利用している人が多かった。知人の日本人に長野県の美術館に案内してもらった時、その人は3ヵ月ぶりにマイカーを利用したと言っていた。