中国で稼ぎ、海外で消費するというのが、中国の富裕層の多くにとってすでに生活の一部になっている。中国経済の伸びが鈍化し、経済構造の調整が進行中で、富裕層の国内消費による内需の牽引がすぐにも必要とされるが、富裕層が海外で消費する権利を尊重することも必要だ。今やらなければならないことは、中国人観光客がなぜ海外で熱狂的に消費するのか、国内消費市場の磁力を高めて富裕層を引きつけるにはどうしたらよいかを考えることだ。
中国人観光客が海外消費に夢中になる第一の原因は資産の問題にある。富裕層の資産が急速に伸びているだけでなく、所得の格差が拡大を続けており、富裕層は後顧の憂いなくのびのびと消費をすることになる。一部の人が公金で消費しているというケースもあり、富裕層が海外で消費する金銭がどこから来たものなのかに注意する必要がある。