土台を支える栄養の不足。世界の資金が中国市場に流れ込み、中国の安い労働力は遠慮なく搾取され、多大な数の労働者が「貧困」に陥り、資本主義国家が豊かになる一方で、労働者である中国は貧しくなり、中産階級は没落し、国家の成長を支える土台は栄養失調に陥ったのである。これまでの30年間、中国の投資収益率が急速に高まる一方で、労働による収益率の伸びは緩やかで、資本と労働の収益率は大きくバランスを失っていった。
成長の原動力がバランスを崩す。中国経済の発展には「強い投資と輸出、弱い消費」という問題が存在しており、経済成長をけん引する三本柱は長期間にわたって不均衡な状態にある。