「北斗」の衛星測位システムを搭載する漁船が「船舶連合ネットシステム」にはっきりと表示されている。
「北斗」が照らす中国衛星測位システム市場のビジネスマップ
「一般の衛星測位システムはあなたのいる場所と時間を知らせるだけだ。しかし中国の衛星、北斗の衛星測位システムは、場所と時間以外に、あなたのいる場所の情報も送ってくれる。知らせたい人に対し、あなたの状況を知らせてくれる。ショートメールとGPSの組み合わせは、北斗の独自開発だ」。北斗衛星測位システムのスポークスマンで、中国衛星測位システム管理事務所の主任、冉承其氏は語る。
中国の北斗衛星測位システム(以下「北斗」)が、アジア太平洋のほとんどの地域に対し、持続的な受動測位、ナビゲーション、時刻配信などの試験サービスを開始した。受動測位とショートメールの独自サービスをする衛星測位システムが、正式に世界に披露されることになった。
北斗は現在、国内衛星測位システム産業の95%を占めるGPS(アメリカ)に挑戦しようとしている。「北斗によって、中国人ユーザーをGPSから取り戻す」。衛星測位システムプロジェクトの副総設計技師の李祖洪氏は、2020年には北斗が全ての人々の生活に欠かせないものになっていると考えている。
人々の期待はとても大きい。中国における初めての自主開発衛星測位システムだからだ。その背後には、様々な市場関係者が衛星測位システムのビジネスをチャンスととらえていることがある。
北斗が持つ独自の優位性は、ある面ではGPSをしのいでいる。業界筋によると、測位はもちろん、その他の面でも機能で劣るところはない。時刻配信機能は主に金融や電力、通信などの分野に応用できる。時刻配信精度は10ナノ秒に達しており、独自の通信機能は無線移動通信を強く補完する。資源調整や安全管理、防災管理にとっても重要な意義を持つ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年1月12日