高付加価値戦略が奏功
昨年の釣魚島事件は、日系家電メーカーにとっては踏んだり蹴ったりだった。しかし日立は、高付加価値戦略が奏功して難関を潜り抜けることができた。上海日立家用電器有限公司で中国地域の洗濯機や小物家電を担当する、営業本部長の郭田剣氏に取材したところ、激しい市場競争に直面している日立家電は、これまでの高級差別化商品販売モデルを堅持し、高級顧客をターゲットに、直輸入品を提供することで、最高品質、最先端、高付加価値の製品を体験してもらうと述べた。
家電アナリストの梁振鵬氏は、日立家電の新戦略をあまり評価していない。「日立グループは昨年年初にカラーテレビ事業から撤退した。カラーテレビ分野は家電分野のなかでも非常に重要な分野だ。日立が同分野から撤退したからには、他の分野も推して知るに足るべしだ。日立の高付加価値戦略の意義は、おそらく現状維持にある」。