中国経済が2013年に直面するいくつかのリスク
米債務上限リスク。米国は財政の崖を回避することで合意したが、富裕層の限界税率の上昇などさまざまなマイナス要素が、今年の実質GDPを1%引き下げる。
国会予算委員会の計算によると、2月の遅い時期に米国の政府債が上限に達する見通しであり、国会とホワイトハウス間で再度協議を行う必要が生じる。米国は現在、ジレンマに陥っている。長期スパンで見ると、歳出面の実質的な削減が実現できなければ、米国債が格下げされる。これは金融市場に対してマイナス影響を及ぼす。しかし歳出を急激に削減した場合、経済成長が影響を被る。債務上限問題が、2013年の経済成長率にどれほど大きな影響を及ぼすかについては、現時点では不明瞭だ。
今後数カ月で債務上限問題が解決されず、歳出が大幅削減されるという最悪の事態が生じた場合、米国の経済成長率はゼロに低下するだろう。欧州もこの影響を受け、経済成長率がマイナス1%に低下する。過去のデータに基づき計算すると、米国・EU経済の同時減速は、中国の輸出額を9%引き下げ、中国のGDP成長率が1%低下する。2011−2012年にGDP成長率が2%低下したことを受け、1年半の時間をかけて過剰生産能力を消化する必要が生じた。仮に全体的な需要がさらに1%減少した場合、生産能力の調整期間がさらに9ヶ月延長されることになる。つまり最悪の場合、外国経済が中国経済の回復を3四半期遅らせる可能性がある。