■「安倍ドクトリン」の核心
1977年に当時の福田赳夫首相が東南アジア外交の基本原則「福田ドクトリン」をマニラで発表した。平和と繁栄、交流の強化、対等な協力といった内容で、1970年代以降の日本の東南アジア政策の柱となった。
それから36年を経て、安倍氏がアジア外交に対する考えを再び明示する。「安倍ドクトリン」はASEAN、インド、オーストラリアを含むアジア太平洋地域での2国間関係、多国間関係の構築が「地域の安定に寄与する」と主張すると見られる。東南アジアに強い影響力を持つ中国と日本は価値観が異なるため、安倍氏はこれを機に対中包囲網を構築することを望んでいると分析される。これに先立ち安倍氏はプロジェクト・シンジケートに寄稿した論文で、日本は中国の侵犯を抑止できる「民主と安全保障のダイヤモンド」の構成部分にならなければならないと指摘した。