ASEAN諸国を見渡すと、ある国は第1の条件は満たすが、第2の条件は明らかに満たさない。例えばシンガポールはすでに先進国だが、人件費が高い。フィリピン、タイ、インドネシアなどは第2の条件は満たすが、第1の条件は明らかに満たさない。タイは2年前にも政局が非常に混乱。フィリピンとインドネシアも深刻なイスラム分離主義勢力が騒動を起こしている。ベトナム、ラオス、カンボジアは政治は安定しているが、インフラが後れている。ミャンマーは政権モデルの転換を行ったばかりで、国内政治は明らかに不安定だ。ここ数日、ミャンマー北部では政府軍とカチン独立軍が衝突しており、同国の政治情勢のデリケートさが露呈した。ミャンマーはまた、安く十分な労働力を持つが、インフラは非常に後れている。
「ASEANのいくつかの国は日本企業の投資候補地となりうる。だが今後10年内にASEANが中国に完全に取って代って日本企業が全く大胆に、安心して投資できる対象となるのは困難だ。また、世界第2の経済大国、アジア最大の経済大国である中国には日本企業の投資を引きつけられる地方がまだ多くある。現在、中国は投資先としてASEAN諸国とは比べものにならないプラス条件を持つ」と厖氏は指摘する。